形成外科

当院で行う手術について

当院では、局所麻酔による手術を行っております。対象は粉瘤やほくろなど、さまざまな皮膚の腫瘍です（大きさや部位によっては、他院への紹介が必要な場合もあります）。手術後の傷跡をきれいにするため、皮膚の表面だけでなく、深部も溶ける糸で縫合する「皮下縫合」を積極的に行っています。また、糸による跡を最小限にするため、細い縫合糸を使用しております。

このようなときは形成外科をご受診下さい

粉瘤

何らかの原因により、皮膚に袋状の嚢胞ができる病気です。嚢胞の中には角質や皮脂などの老廃物が溜まり、次第に大きくなります。この病気は良性腫瘍であり、必ずしも治療が必要ではありません。ただし、炎症が起こった場合は、薬で炎症を抑えたり、切開して膿を排出する処置を行ったりします。粉瘤が目立って気になる場合には、手術で摘出いたします。

やけど

やけどは、皮膚が熱や化学物質、電気、太陽光、摩擦などの刺激によって損傷を受けた状態のことです。具体的には、やかんの熱湯や蒸気、ガスコンロやストーブなどの炎、アイロンなどが挙げられます。症状は障害を受けた深さや範囲によって異なります。一般的には赤み、腫れ、痛み、熱感、水ぶくれ、皮膚の変色などが引き起こされます。

やけどは主に3段階に分類されます。このうち、障害が皮膚の表皮まででとどまっている軽度なもの（I度）は、数日で自然に治る場合もあります。皮膚の真皮にまで達している場合（II度）は、水ぶくれが生じることもありますが、なるべくそのままにし、軟膏などを塗って皮膚が乾かないようします。痛みを軽減したり、二次感染を防いだりするために、ステロイド剤や抗生物質の外用薬を使用することもあります。表皮や真皮のみならず、脂肪や筋肉といった皮下組織にまでやけどが及んでいるⅢ度の場合は、入院治療が必要になることもあります。

皮膚腫瘍

皮膚腫瘍には、良性から悪性のものまで非常に多くの種類があり、摘出するまで診断が確定しないことも少なくありません。一般的には、悪性の場合、腫瘍の形状が異様で、成長速度が速いことが多いですが、それだけで判断することはできません。当院では、必要に応じて皮膚生検を行い、良性か悪性かを判断します。腫瘍の大きさや発生部位によっては、当院で対応できない場合もあります。その際は、いわき市医療センターへ紹介いたします。

肥厚性瘢痕・ケロイド

肥厚性瘢痕は、傷が治癒する過程で、傷を埋める組織が過剰に増殖し、しこりのようになる状態です。小さな傷の場合、組織の増殖は一時的で、傷の範囲内に留まることが多いですが、傷の範囲を超えて進行し、ケロイド状になることもあります。ケロイドは、胸の中央部や肩、上腕の外側、背中の上部など、皮膚の緊張が強い部位に発生しやすいと言われています。手術やけがの痕、ニキビ痕、または本人が気づかないような小さな傷からも発生することがあります。治療の基本はステロイドテープですが、必要に応じて注射などを追加することもあります。

巻き爪

足の指などに過度の圧力がかかると、爪の両端が大きく内側に湾曲することがあります。特に親指の爪が巻き爪になりやすいですが、他の指の爪も巻き爪になることがあります。適切な治療を受けないと、爪が肉に食い込み、陥入爪になることがあります。この場合、次第に炎症や痛みが生じ、爪周囲の皮膚が化膿し、歩行困難になることもあります。そのため、必要に応じて手術などで爪の変形を矯正します。